北海道・札幌・ススキノの今

ホームセンター大手「ホーマック」（札幌市）の経営統合情報を巡るインサイダー取引事件で、前社長が逮捕された携帯電話販売代理業「ノーステックテレコム」が、契約社員など６０人に解雇を通知したことが１８日、分かった。ノース社は解雇の理由について、「事件で取引先のホーマックに迷惑をかけ、ホーマック内に展開する店舗を閉鎖するため」と説明している。北海道労働局は「事実関係が確かであれば、手続き的には労働基準法違反ではないが、解雇権の乱用に当たる可能性はある」（監督課）としている。

　ノース社は、ホーマックから約２０％の出資を受けている。ノース社によると、インサイダー取引事件を受け、道内外２７店のホーマック店内で展開する店舗を５月末に閉鎖する方針を決定。契約社員とパートの６０人には１か月の自宅待機後、６月末で解雇することとし、１７日に店舗内に内容を記した紙を張るなどして、通知した。ホーマック以外で展開する１４店は営業を続けるとしている。

　ノース社は、解雇後にホーマックに再雇用してもらうことなどを検討していると強調した上で、「再就職については最大限の支援をしていきたい。責任は感じている」と話している。

　北海道労働局では、３０日以上前に解雇の予告があれば、手続き上は労働基準法違反とはならないが、解雇事由の有効・無効を巡って問題が生じる可能性があるとみている。

　ノース社の前社長は、ホーマックとカーマ（愛知県刈谷市）、ダイキ（松山市）の経営統合を決めた重要情報を発表前に入手し、ホーマック株約３万５０００株を約４０２５万円で買い付けたとして、証券取引法違反の疑いで１５日、札幌地検に逮捕された。

読売新聞引用