北海道・札幌・ススキノの今

「来年こそ良い年に」－。道庁をはじめ道内自治体や企業などでは二十八日が仕事納めとなり、それぞれにこの一年を振り返り、新年に向けて心を新たにした。

　高橋はるみ知事は同日夕、各部を回って職員を激励したあと、幹部職員を前にあいさつ。今年道内で食品偽装が相次いだことに触れて、「北海道の食のブランドを根底から揺るがせる事件。職員は一丸となって、信頼回復に努めなければならない」。さらに、道職員が収賄容疑などで逮捕されただけに「職員一人一人が公務員倫理を確認するように」と、襟を正すよう求めた。

　道警の高橋清孝本部長は仕事納めで、今年の刑法犯が戦後最少となる見通しであることやミートホープ事件の摘発を評価したうえで、「交通事故死者数の三年連続全国ワースト回避が視野に入っている。最後まで全力を尽くしてほしい」と激励した。

　財政再建計画による給与三割カットなどで職員退職が相次ぐ夕張市では、藤倉肇市長が仕事納め式で「（退職せず）踏みとどまってほしい。苦しい時に培った力は今後、大きな力になる。（年末年始の休暇中）夕張市と自分を冷静に振り返って、市の再生のために力を貸してもらいたい」。

　一方、賞味期限の改ざん問題で揺れ、十一月に販売を再開した「白い恋人」の石屋製菓（札幌）は、仕事納めはなく、札幌市西区の本社工場をフル稼働。品薄で年末年始も本格生産体制を維持するため、パート社員が休みに入る三十日から一月三日は正社員が正月返上で製造する。広報室は「道内各地で商品を待っていただいている。期待に応えたい」と話していた。