北海道・札幌・ススキノの今

【ユジノサハリンスク５日津野慶】ロシア・サハリン州の州都ユジノサハリンスク市で、道民が日本文化の紹介に力を入れている。五日に開幕した造園や花の芸術を総合的に楽しむ初の祭典「サハリンの花」には、道内の造園業者と生け花の専門家の計三人が参加。一方、北海道柔道連盟と北海道柔道整復師会は代表団四人を派遣し、地元選手を指導している。

　七日まで開催の「サハリンの花」は、同州政府などが主催し、八十人以上の愛好者が出品した。

　造園美を競う屋外の会場には、函館市の造園会社、宝成園が参加し、ロシアの色彩豊かな庭園に交じり、日本のわびさびのある庭園を紹介した。竹筒が水の力で上下する「鹿威（ししおど）し」の前には、人だかりもできていた。

　ユジノサハリンスクはエネルギー開発の影響で好景気に沸く。同社は昨年、サハリンで過去最多となる四件の造園注文の商談を成立させており、斎藤尚仁社長は「今回の展示でさらに関心が高まれば」と期待する。

　一方、柔道指導は同州柔道・サンボ連盟との相互交流の一環で、一九九八年から続いている。代表団の一行は二日から同市に滞在し、連日、講習会を開いている。

　五日は子供から大人まで約二十人のロシア人が参加した。指導した筒井寛幸さんらは「足の長いロシア人に適した寝技」と三角絞めを伝授。両足で相手の首と片腕を絞める技で「これは日本の国家秘密です」と説明し、笑いを誘っていた。

　同州の柔道人口は約千人で、ロシアの強豪地区の一つ。二十三歳以下の極東大会で優勝経験がある大学生アントニオ・カスチリオリーホさん（２１）は「すべて参考になった。ロシア代表を目指します」と張り切っていた。一行は七日に帰国する。
(北海道新聞　引用)